クリスマス・メニュー2018

【クリスマス特別メニュー2018】のご案内です!

レストランでゆったりと召し上がって頂く「クリスマス ディナーコース」と、
ホームパーティーで楽しむフリュウ特製「クリスマス ローストチキン」をご用意いたしました。

ご家族や大切な仲間と、年に一度の特別なお料理で
素敵な時間をお過ごし下さい。

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* クリスマス ディナーコース 2018 *
〈 開催日:12/22(土)〜 25(火)〉
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クリスマス限定の特別食材をご用意し、シェフの手打ちパスタを幾重にも重ねて焼いたエミリア風ラザーニャなど、体も温まるこの時期だけの特別のお料理で皆様をお迎えいたします。

【クリスマス ディナーコース】8,000円

【コース内容】アミューズ / 前菜2皿 / スープ / ラザーニャ / オリーブ牛 / デザート / 自家製パン / 食後のお飲物

《要予約》TEL 0879-82-2707 リストランテ フリュウ

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* クリスマス ローストチキン *
〈 数量限定 〉
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国産鶏を使用し、鶏の中には野菜や香草・米などを詰めて香ばしく焼き上げるフリュウ特製のローストチキン。パリッとした皮から中身まで、まるごと美味しく召し上がって頂けます。ご自宅や職場、パーティーなど、クリスマスの食卓に華を添えてお楽しみください。

【料 金】5,000円(1羽で4~6名様分)

【チキンお渡し日】12/22(土)〜25(火)の午後5時以降にリストランテ フリュウまで受け取りをお願いします。ご注文の際に、ご希望の受け取り日時をお伝え下さい。

【ご注文締切日】12/15(土)

《ご注文・お問い合わせ》
TEL 0879-82-2707 リストランテ フリュウ

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これまでのこと これからのこと その4

 

「これまでのこと これからのこと その4」

 

Ciao bellaでは、島田シェフとコンビネーションがとれるようになり、料理も以前に増して、任せていただけるようになっていた。調理ができるようになってくると、方法の理論だけではなく、その料理ができた歴史というか背景にも興味をいだくようになってきた。イタリア料理は、南北に長いイタリア各地方の郷土料理の集合体であり、各地方それぞれの気候風土にあった食材を活かした料理になっている。また、宗教的な行事の際にもてなされる料理やお菓子も特徴のあるものが多く、普段の生活の中に、そういった食文化が代々受け継がれてきているのがイタリアという国の魅力なのではないかと思われる。

調理方法だけを身につけるのではなく、その料理の生い立ちであったり、意味であったり、場所や季節を感じ取って思いをはせることにより、実際にイタリアに行って教わったわけではないのだが、少しでも現地の味や雰囲気に近づくことができるのではないかと考えるようになっていた。イタリアの食文化というものにどんどんとのめり込んでいき、シェフに本を借りたり、休みの日に近くの図書館に行って料理の本を借りたり、都内にあるイタリア各地方の特色を感じられるレストランに食事に行ったりと、できるかぎりイタリアに触れる機会を増やしていった。大学の同級生も都内の有名イタリアンで働いており、情報収集によく話を聞きに行っていた(その彼は現在仙台で「ピッツェリア・トラットリア ダ ジェンナーロ」 http://www.da-gennaro.com/ というお店を営んでいる)。イタリア料理とはなんぞや?なんでイタリア料理なんだろう?もし自分でお店をするとしたら、地元山形に帰るんだったら、イタリアでも北の方の料理がいいのだろうか?などなど、考えていた時に、図書館で一冊の本に出合った。「吉野の里のスローフード」

奈良の東吉野の山奥で完全予約制のイタリアンレストランを営んでいるオーナーシェフ夫妻の本であった。イタリアで修業されたシェフが、ご夫妻でお店の前で自ら畑を耕し、吉野の山や川で捕れた旬の食材を使った予約制のレストランの本。いつかこんなお店ができたらいいな、自然の中で、近くにあるものを活かし、わざわざお越しいただいたお客様に、自らが食材を探し、作り、収穫し、その土地と旬を感じる最高の料理を提供する。これが理想のお店だと感じた。夏休みをいただいた機会に、そのお店に行こうと決心し、予約の電話をした。しかし、行こうと予定していた日程には、そのお店は閉店することに決まっていた。。。驚いた矢先に「閉店後はどうされるんですか?」と聞いていた。聞くと、兵庫県西宮で新店舗をオープンさせるということだった。すかさず「スタッフの募集はされていますか?」食事に行くつもりが、面接に行くことになった。そのころ、島田シェフにはもう少しイタリア郷土料理について学びたい旨をお伝えしていて、移れるお店をちょうど探していた時だった。

夏休みを利用して、面接に東吉野に向かった。深夜バスで名古屋まで行き、そこから近鉄で榛原まで向かう。榛原からバスで東吉野村に。一日4本しかバスがなかったので、面接時間がランチ終了の15:00ごろだったため、13:00ぐらいに到着するバスに乗った。山間の道を走るバスは、次第に乗客が自分以外いなくなっていった。運転手から「どちらまで?」ときかれ、レストランまでを伝えると、「ああ。あそこね。」的な感じで、近くで降ろしていただいた。さぁ、東吉野についた。は、いいが、面接の時間まで、あと2時間。しかも、小雨が降りだした。もちろん、時間のつぶせるスタバがあるわけでもないので、近くの川にかかる橋の下で雨宿り。完全に怪しい。小雨の降る中、川に眼を移すと鮎が泳ぐのが見えた。すごく懐かしい感覚がよみがえった。山形の実家の裏には寒河江川が流れ、川で遊んで育った自分にとって、あっという間に時間が過ぎた。カートを引いて、いざ面接に。

面接は、あっけなく終わった。断る理由はないと。

さらに、帰るバスがなくなってしまい、一晩泊めていただくことになった。イタリアでの話や、理想の地で思い描くレストランを続けてきたオーナーシェフ夫妻のお話を沢山伺いながら、次の新しいお店の夢を膨らましていった。

その5につづく

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これまでのこと これからのこと その3

28歳にして、レストランに入った。一般的には遅すぎるスタートではあったが、背水の陣というか、なにか自分の手でつかむものが欲しかったような気がする。

東京は六本木の「cuisine nature Ciao Bella」(現在はape cuisne natureという店名で東京大学駒場リサーチキャンパスで営業http://www.ciaobella.jp/ape/ )というオーガニックイタリアンに入った。その当時、東京でもオーガニックにこだわっているお店がまだ数少なかった。

東京チャオベッラ

「自然な料理」を提唱する島田伸幸シェフのもと、食材のことや包丁の扱いや基礎的な料理のこと、レストランサービスなどを一から教わった。最初の3か月は本当に辛かった。朝は早くから、終電まで、慣れていたつもりが体がついてこない。まったくできない自分が悔しかった、本当に悔しかった。これが自分の実力なんだと痛感した。悔しい思い、ここからがスタートなんだと、毎日必死になった。シェフの動きをみたり、当時の先輩たちにも仕事のやり方や、コツを教えていただきながら、まずは、レストランの一部として機能するように仕事を覚えていった。仕事が終わり、くたくたになった帰りの電車では、その日の仕事内容やメニュー、シェフからの指摘などをノートに書いて復習してて体に覚えさせた。また、シェフや先輩から借りた料理本や専門誌を読み漁ったり、休みの日は小アジなどを買って自宅で包丁の扱いの練習をした。その甲斐あってか、半年ぐらいからは、自然と仕事の先を読んで、段取りができるようになっていた。自分ができることが増えていく、仕事が楽しくなってきた。

レストランの厨房(お店の大きさによって違いはあれど)では、シェフが頂点にいて、その次にセコンド(2番手)といわれるシェフの助手的ポジションがある。そのポジションになってようやく仕事をまかせてもらえるようになる。基本は年功序列である。先にお店に入った人が先輩でその順でそのポジションが回ってくる。上が辞めたり(修業時代は3年ぐらいでお店を変わる人が多い)系列店に配置換えにならないかぎり空きがでない。しかし、運よくというか1年半ぐらいでそのポジションが回ってきた。必要に迫られ調理もどんどん覚えていかざるをえなかったが、自分が成長できていくのが見えていくのでモチベーションは高かった。

また、Ciao Bellaでは、アロマセラピストの先生(鈴木理恵先生http://www.ars-inc.co.jp/ )とアロマイタリアンというイベントをやっていたり(これは小豆島でも開催)、千葉の成田に有機野菜の農家さんから畑を借りて野菜を作ったり、年に何回か島田シェフがお店以外の場所で料理教室を行ったり、代々木公園でのアースデイに出店したりと、いろんな活動を行っていた。その経験が今でも本当に生きている。

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(2014年10月19日に小豆島で島田シェフと鈴木先生を招待して開催されたアロマイタリアン)

みんな才能というものは潜在的にあって、ポンっとでてくるもの、降ってわいてくるものだとずっと思っていた。なんで自分はそれができないんだろうと思っていた。それは、勝手な自分の幻想であることに気が付いた。

ポンッとでてくるものでも、降ってわいてくるものでもなく、強制的にでも自分の現実を見つめるところから始め、自分で理想に少しでも近づくために、必死になってもがいて、考えて、真似して、繰り返して繰り返して、また繰り返して、やっと血となり肉となって、自分の体の一部となって初めて、少し自分の考えや思いを表現できるようになるものなんだなと。

その4につづく

これまでのこと、これからのこと その2

これまでのこと これからのこと その2

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東京でレストランに入る前に、お世話になっていた会社でお店を運営していた時に、自分の軸となる料理の信念となる考え方「身土不二」という言葉を知った。

飲食店の経験は長かったが、体系的に料理を教わったことがなかった自分に、勉強をさせていただく機会をその当時の社長にいただき(本当に感謝しております)、Whole food(ホールフード)を提唱していたタカコ ナカムラさんの教室に通った。そこで、発酵食や乾物料理、マクロビオティックや環境に配慮したライフスタイルを学んだ。その中でも「身土不二」というキーワードに惹かれた。身土不二は「人間の身体(=身)と土地や環境(=土)は切り離せない(=不二)」という意味。その時期に自然に取れる食材を食べれば、暮らしている土地の気候や風土と合いやすく、健康的な日々が送れるという考え方。例えば身体を冷やす作用のある熱帯地方産の果物や、夏に取れる野菜や果物を冬に食べると身体が冷えやすくなり、体調を崩す原因となりやすいという考え方。

まさに、幼少期の普段の食生活そのままである。

春に山菜、秋にきのこや木の実をとって食べる。体験がもとにあったので体に馴染みやすかったのであろう。

「身土不二」を自分のフィルターを通し、島でなるべく自然な季節のものを取り入れ、その食材の育った環境を見て、匂いや風を感じ、その食材のバックグラウンドまでも一皿で感じていただけるような、素材の持ち味を活かす調理を心掛けている。小豆島に来る前は、メニューありきで食材を選んでいたが、小豆島にきてお店を構えてからは、その時その場所にある食材ありきでメニューを考えるような流れになった。それが、食べていただく方にも、作る側にもすごく自然な形なのではないかと思う。

 

 

2015.10-5

「小豆島で自然放牧をしている鈴木農園さんの豚」

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「今年初収穫したフリュウの丘のオリーブ」

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「フリュウの前にある大きなレモンの木」

 

以前、西日本放送の「きままにラジオ」に出演させていただいたことがある。パーソナリティーの植松おさみさんとお話をしている際に、どうして料理の道に進むことになったのかというのを、自分では意識はしていなかった、幼少期の原体験が料理のもとになっていることを、番組内で解き明かしていただいたこともある。

今でこそ、このように整理しながら自分の足跡を見ているから、あぁ、こういう気持ちの流れで、料理をするようになったんだなと思うが、不思議なものである。

 

その3につづく